特集~さっぱりとした夏の健康肌へ~ 古法美容伝習所 伝習記録より

夏のお手入れの要は洗顔

株式会社漢萌 製造・お手入れ担当 安田佳子

皮脂の分泌や発汗が多くなる夏。
お肌にはファンデーションや皮脂や汗・埃などが混ざり合い、
落とし難い頑固な汚れとなってお肌に負担をかけます。
そのため夏のお手入れで最も大切になってくるのが洗顔
お肌の汚れを確実に落とすための基本中の基本のお手入れです。

私がかつてお手入れを学んだ古法美容伝習所の自然美容家 故 三戸唯裕先生(漢萌前社長)から教わった洗顔法には、温冷洗顔法というお肌の質そのものを変えてゆくための洗顔法もありますが、ここでは汚れを確実に落とすことを目的とした自然洗顔法についていくつかのポイントを挙げてご説明いたします。

 自然洗顔とは、お肌が分泌する汗や皮脂、そしてそれらと混ざり合う様々な汚れをきれいに落とし、同時にお肌自身がもっている“自己浄化作用”を損なうことなくお肌の正常機能を保つお手入れであり、その大まかな流れは次の通りです。

お化粧落としは基本的には普段お使いのメイクアイテムと同じメーカーのクレンジング剤で行います。

洗顔剤は石鹸を用いますが、その際、まず最初に行うべきことは手に付いた汚れをしっかりと落とし清めることです。

そして次に予洗(素洗い)を行った後、両手のひらで石鹸
しっかりと泡立てそのキメ細かな泡でお肌をなでる様に
優しく本洗いし、最後に入念にすすぎを行います。

※自然洗顔では泡立ては必ず手のひらで行い、
泡立てネットなどは使用しません。
もちろん泡立ちは大切ですが、何よりも心からお肌を
優しく労わり洗うことこそが第一なのです。

先生がおっしゃるには「お肌もあなた自身なのですよ。お肌をゴシゴシ力任せに扱うことは、即ちあなた自身をそのように扱っているということにもなるのです。もしもあなたがお顔も洗えないくらいに疲れ果てていたなら、その日はゆっくりと眠り、 翌朝『昨夜は汚れも落とさずにごめんね』とお肌に語りかけ優しく洗ってあげることが大切なのです。そうすればお肌は必ず応えてくれるはずです」と─。

この
“大切なお肌は大切な自分自身そのもの”という
心身肌相関の教えは今も胸に深く刻まれています。

皆様もぜひこの気持ちを念頭に
お肌を可愛がってあげてください。

続いて予洗(素洗い)と洗顔(本洗い)、そしてすすぎの大切さについて先生はこう問いかけられました。
「巷ではW洗顔などと言われ、お肌の汚れは2度落とせば万全と言われているが、果たしてその方法に論拠はあるのか?」と─。

適格な答えが見つからない未熟な私に対して先生は、
「確かに重ねて汚れを落とすことは必要だと思う。ただし、最初にクレンジング剤で汚れを落としていれば
次の洗顔で100パーセント落とせるだろうと過信することはよくない。

そもそも自然洗顔における予洗(素洗い)・洗顔(本洗い)・すすぎにはそれぞれ役割があり、

  1. ① まず予洗(素洗い)ではクレンジングでの落とし残しはどの部分にあるかを目や手のひらでチェックすること。
  2. ② 次に本洗いではそれを洗顔剤で確実に落とす。
  3. ③ そして最後のすすぎではさらにそれが確実に落とせているかを手のひらで確認する役割がある。

これらを完璧に行って初めて汚れが落とせていると確証が得られるものだと私は思う。
要は回数云々よりも、確実に汚れが落とせているかを目で観る、そして手のひらで観る観肌(かんき)というお肌との対話術こそが何よりも大切なのだ」と─。

夏はとりわけ落ち難い頑固な汚れがお肌に悪影響を与えやすい季節ですから
この先生の教えをぜひとも実践されることをおすすめいたします。